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ピディオキシジル入り育毛剤の効果と副作用

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ピディオキシジルって何?

・誕生の経緯と海外での呼ばれかた(kopyroll)

新しい発毛成分としてピディオキシジルは注目を集めていますが、「ピディオキシジル」とインターネットで検索しても、すぐに見つけることができないと思います。

もちろん、昔からある成分ではなく近年になって開発された成分ということもありますが、実はそれ自体がインターネットで検索しても見つけることができない理由ではありません。

実は「ピディオキシジル」という名前は日本国内で使用されていますが、海外においては「コピロール(Kopyrrol)」という名前の方が一般的に使用されています。

このKopyrrolの正式名称(化学名称)は「ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド(6-Pyrrolidino, 2,4-Diaminopyrimidine 3-Oxide)」というものです。

では、なぜ、日本国内において「ピディオキシジル」の方が一般的に使用されているのでしょうか。

それは「キシジル」という単語が重要です。

「キシジル」という言葉を聞いて、男性、特に頭髪に悩みを持つ男性がすぐに思い浮かべるものは「ミノキシジル」だと思います。

少し話が脱線しますが、医薬品の化学名称に名前をつける際には、一般的なルールをご紹介致します。

同じような化合物に対しては、共通の言葉を入れる必要があります。

例えば、現在医薬品業界で流行となっている生物学的製剤があります。
その一例としてクローン病や潰瘍性大腸炎の治療薬を例にしてみます。

「レミケード」=一般名「Infliximab」

「ヒュミラ」=一般名「Adalimumab」

「シンパニー」=一般名「Golimumab」

それぞれの一般名の最後には「mab」という文字が使用されていますが、これは生物学的製剤を示すものです。

このルールはクローン病や潰瘍性大腸炎治療薬だけに適用されるものではありません。

実際、がん治療薬でも生物学的製剤があり、オプジーボ(一般名:Nivolmab)では「mab」という文字が使用されています。

また、高血圧治療薬であるカルシウム拮抗薬であれば、アムロジピン、ニフェジピンなどのように成分名の最後に「ジピン」という文字が使用されています。

このように効果や製剤ごとに一定の文字を入れるというルールがあります。

本題に戻しましょう。

「ピディオキシジル」と「ミノキシジル」には「キシジル」という文字が使われていることから、同じカテゴリに分類される医薬品であることがご理解いただけるかと思います。

それぞれ血管拡張作用を持ち、血流を増加させる働きがあるため育毛成分として使用されています。

では、なぜピディオキシジルという新たな育毛成分を開発しなければならなかったのでしょうか?

新たな医薬品を開発する際の理由は、大きく分けて2種類あります。

1つは既存の有効成分では十分な効果が得られていない場合、もう1つは多くの副作用があるため、より副作用が少ない(安全性が高い)成分を開発する必要がある場合です。

では、ミノキシジルはどちらに該当したのでしょうか。

まず、有効性を確認してみましょう。

以下は日本皮膚科学会が発表している2010年の男性型脱毛症診療ガイドラインです。

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913421_2.pdf

この診療ガイドラインでは、A・B・C1・C2・Dと5段階の基準を設けられています。Aが最も推奨されるもので、順番に推奨度が低くなるというものです。

推奨度の詳細は下記の通りです。

A:行うよう強く勧められる(少なくとも1つの有効性を示すレベルⅠもしくは良質のレベルⅡのエビデンスがあること)

B:行うよう勧められる(少なくとも1つ以上の有効性を示す質の劣るレベルⅡか良質のレベルⅢあるいは非常に良質のⅣのエビデンスがあること)

C1:行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない(質の劣るⅢ~Ⅳ、良質な複数のⅤ、あるいは委員会が認めるⅥ)

C2:根拠がないので勧められない(有効のエビデンスがない、あるいは無効であるエビデンスがある)

D:行わないよう勧められる(無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)

医薬品や治療方法ごとに推奨度が以下のように分類されています。

男性型脱毛症にミノキシジルの外用は有用か男性の男性型脱毛症=A

女性の男性型脱毛症=A

男性型脱毛症に塩化カルプロニウムの外用は有用か?=C1

男性型脱毛症に医薬部外品・化粧品の育毛剤の外用は有用か?=C1

アデノシン=C1

サイトプリン・ペンタデカン=C1

セファランチン=C2

ケトコナゾール=C1

男性型脱毛症にフィナステリド内服は有用か? 男性の男性型脱毛症=A

女性の男性型脱毛症=D

男性型脱毛症に植毛術は有用か? 自毛植毛術=B

人工毛植毛術=D

フィナステリドは、男性ホルモンの作用を抑えることで脱毛を予防するため、男性に対する推奨度はAですが、女性には禁忌であるため、推奨度がDとされています。

このフィナステリドを除けば推奨度Aのものは、ミノキシジルしかありません。

十分なエビデンスがあり日本皮膚科学会が推奨するほどのものですので、ミノキシジルの効果は十分であるといえます。

したがって、「既存の有効成分では十分な効果が得られていない」という理由のために、ピディオキシジルの開発が進められたわけではないようです。

次にミノキシジルの副作用について確認してみましょう。

ファイザー社の臨床試験データより引用し、ご紹介させていただきます。

http://www.pfizer.ca/sites/g/files/g10017036/f/201410/LONITEN-PM-167423_14_0.pdf

・副作用の症状。治験中に1%以上認められた副作用

・一般障害:浮腫。治験開始時に浮腫がなかった患者のうち7%は一時的に浮腫が悪化した。

・心臓障害:頻脈、心膜炎(?10%)・心嚢貯留液、心タンポナーデ・狭心症(頻度不明)

・胃腸障害:胃腸障害

・代謝栄養障害:体液貯留

・皮膚及び皮下組織障害:多毛症、頭髪変化(?10%)

 治験中に1%以下認められた副作用

・血液及びリンパ系障害:白血球減少症、血小板減少、貧血(頻度不明)

・心臓障害:胸水

・生殖及び胸部障害:乳房圧痛

・皮膚及び皮下組織障害:スティーブンスジョンソン症候群、水疱性皮膚炎、発疹、表皮壊死融解症(頻度不明)臨床検査値異常

・心電図異常(10%)、へもグロビン値・赤血球数の一時的な上昇、ALT(アルカリフォスファターゼ)上昇、血中クレアチニン上昇、尿素窒素上昇

上記のデータはミノキシジルを内服薬として投与した場合のデータですが、非常に多くの副作用があります。

また重篤な副作用として知られているスティーブンスジョンソン症候群や表皮壊死融解症の発現が報告されていることから、より副作用の少ない発毛効果をもつ成分の開発が進められたようです。

では、ピディオキシジルではどのようなデータが得られているのかを確認してみましょう。

以下はkopyrrol-brochure、kopyrrol概要書、つまりkopyrrolのデータを示したものになります。

http://www.slideshare.net/Kumarorganicproducts/kopyrrol-brochure

【kopyrrolの有効性】

・試験管内の試験において、発毛に関わる繊維芽細胞の機能低下をKopyrrolが抑制した

・試験管外のマウスを使った試験において、Kopyrrolはミノキシジルと同程度の効果を発揮した

【毒性(副作用)の情報】
有害な事象を起こす可能性のある情報は、Kopyrrolにはない。

以上から、ピディオキシジルは、ミノキシジルと同等の効果を持ち、かつ副作用が少ないことがお分かりいただけるかと思います。

・どういう化学物質?

ピディオキシジル(Kopyrrol)の正式名称は「ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド(6-Pyrrolidino, 2,4-Diaminopyrimidine 3-Oxide)」で、以下のような構造をしています。

組成式は「C8H13N5O」です。

一方ミノキシジルの正式名称は「2,4,-Pyrimidinediamine,6-(1-piperidinyl)-3,oxide」と言い、以下のような構造をしています。

組成式は「C9H15N5O」です。

ピディオキシジルもミノキシジルも基本構造は同じで、ピリミジン環を中心とし2位と4位にNH2基を持ち、3位にO-基を持っています。
唯一の違いは、6位についている基が6員環のピリミジン環なのか5員環のピロリジン環なのかということです。

・ピディオキシジルの特許や商標(国内では株式会社ホルスが商標取得)

ピディオキシジルは、インドのインドにあるKumar Organic Products Limited(クマールオーガニック製品社)が開発し、特許を持っています。

インドの会社と聞くと不安に思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、不安に感じることは全くありません。

なぜなら、インドのジェネリック医薬品(後発品)メーカーの多い国だからです。

ジェネリック医薬品とは、特許が切れた医薬品のことで、医薬品を製造する許可を受けていれば、どのような企業でも製造することができます。

ただし実際に販売するためには同等試験などの臨床試験を実施する必要がありますので、ある程度のノウハウが必要になります。

このようなノウハウをKumar Organic Products Limited(クマールオーガニック製品社)は持っています。

それを確認するためにも、Kumar Organic Products Limited(クマールオーガニック製品社)のホームページを確認してみましょう。
http://kumarorganic.net/#

トップページにある「Products」というタブを開いてみますと、「Personal Care Ingredients, Anti-oxidant Ingredients」など複数の製品が開発され、発売されていることがわかるかと思います。

このことから心配する必要がなく、安心して使用できる会社であるということができます。

一方日本国内においては、株式会社ホルスという会社が商標を持っています。

https://twitter.com/trademark_bot/status/385731994551726080

この株式会社ホルスは、化粧品・医薬品・健康食品の原料を主に取り扱う会社のようです。

・ミノキシジルやキャピキシルとの比較(もし6員環と5員環が違うことによる違いが分かれば)

ミノキシジルとキャピキシルの共通の作用としては、血管拡張作用による血流量増加に伴う発毛効果です。

しかし、これ以外の効果もあることが知られています。

●ミノキシジル特有の効果:血管新生作用

血管新生作用とは、「血管を新しく作る」作用のことです。

血管が新しく作られるために必要なものの1つとして「血管内皮細胞増殖因子(VEGF)」がありますが、ミノキシジルには血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の分泌を促進する作用があります。

新しい血管が作られることによって十分な血流や栄養が毛根に運ばれ育毛が促進されます。

ピディオキシジルの発毛効果は?(この章のボリュームを多めでお願いします。)

・発毛のメカニズム(作用機序)

ピディオキシジルの発毛メカニズムは、主に血流量増加によるものです。

ピディオキシジルによってATP-感受性Kチャンネルを活性化することにより細胞形質膜が過分極し、血管平滑筋が弛緩します。

難しい説明かと思いますので簡単にご説明しますと、血液の通り道である血管の幅が広がるということです。

狭い血管の中を血液が通るためには高い血圧(強い力)が必要になります。

広い通り道と狭い通り道があったとすると、液体(血液)はどちらに流れやすいでしょうか。

当然広い通り道です。

つまり血管を広げることによって、より多くの血液や栄養素を毛根に送り込むことで、育毛を促すというものです。

ピディオキシジルには、直接的な発毛効果ではありませんが、もう1つの作用があります。

それは、kopyrrol-brochure(kopyrrol概要書)、つまりkopyrrolのデータを示したものの中に記載があります。

http://www.slideshare.net/Kumarorganicproducts/kopyrrol-brochure

有効性のデータに以下の記載があります。

【kopyrrolの有効性】

・試験管内の試験において、発毛に関わる繊維芽細胞の機能低下をKopyrrolが抑制した。

繊維芽細胞の機能低下を抑制したということですので、直接的に発毛を促進したわけではありません。

しかし、機能低下を抑制する=機能を維持する=継続した発毛が期待できるということになるため、結果としては発毛効果につながると考えて問題ないと思われます。

・ピディオキシジルはどんな人に効きやすい?
 ピディオキシジルは、ミノキシジルの誘導体であるため、ミノキシジルの効果がある人に効果があります。
 ミノキシジルは、フィナステリドのような男性ホルモンを阻害するような効果ではないため、男女によって使用できる使用できないというものがあるわけではありません。
 したがって、いわゆる壮年性の脱毛であれば、効果があります。
 では壮年性以外の脱毛とはどのようなものがあるのかご紹介させていただきます。
 
・抗がん剤・放射線などの外的要因

・睡眠・喫煙・ストレスなどの生活要因
 抗がん剤や放射線などの場合、ホルモンの影響ではないので、ピディオキシジルを使用した場合でも効果がありそうです。
 しかし、抗がん剤や放射線などの治療による細胞障害は非常に強力なため、ピディオキシジルの治療効果がそれを上回ることはありません。
 したがって、実際には効果がないと考えてください。
 次に脱毛の原因が生活要因に関するものの場合ですが、残念ながらデータはありません。
 なぜなら1つ1つの生活要因を数値化することは難しく、どれか1つだけを原因として特定することはほぼ不可能です。
 しかし、抗がん剤や放射線と比べると、効果があるとして問題ないと思われます。

次に部位別の効果についてご紹介させていただきます。

額の後退(いわゆるM字ハゲ)に対しては、十分な効果を発揮しない可能性があります。

この部分に関しては、男性ホルモンの影響を強く受けます。

男性ホルモンであるテストステロンが5-α還元酵素によって還元されてジヒドロテストステロン(DHT)が生成されます。

このジヒドロテストステロンが毛根に作用することで薄毛を促進しています。

この男性ホルモン由来の薄毛の作用をピディオキシジルの作用が上回ることができれば発毛を促進することができますが、ミノキシジルにおいても額の後退には十分な効果がないとされています。

したがって、ピディオキシジルにおいても同様と考えることができます。

ただし、額以外については、男性ホルモンの影響を強く受けるわけではないので、効果があるとされています。

実際頭頂部の薄毛に関しては、ミノキシジルは十分な効果を発揮していますので、ピディオキシジルも同様だと考えて問題ないと思われます。

・効果が出るまではどのくらいかかる?

育毛剤の効果が発揮されるまでに必要な期間は最低でも6ヶ月と言われており、ピディオキシジルも同様と考えてください。

髪の毛には頭髪サイクルといわれるものがあります。

頭髪サイクルとは、休止期・成長期・退行期の3つの期間で形成され、順番に繰り返されることで今ある髪の毛が抜けて次の髪の毛が生えてくる仕組みとなっています。

なお、休止期は3~4ヶ月、成長期は2~6年、退行期は2週間程度あります。

薄毛になっている箇所といのは、休止期の状態が続いていることを言います。

もちろん休止期が長く続いて完全に毛根が消滅した場合、休止期ということはできません。

毛根がないためこの先髪の毛がはれてくる可能性がなく、再生不可能な状態なためです。

ここではこの再生不可能な状況にある箇所については、除外することとします。

休止期にある毛根に対して、ピディオキシジルが作用したと仮定します。

休止期は3~4ヶ月あります。
ピディオキシジルの作用は血流増加作用であり、この休止期の期間を顕著に縮める作用があるわけではありません。

したがって効果があったとしても、休止期から成長期に移行するためには4ヶ月程度必要です。

つぎに頭の毛根は、頭皮表面からおおよそ4mm~6mmの深さにあります。

髪の毛の伸びる速度は1日当たり0.3mm~0.4mmと言われていますので、1ヶ月30日と考えると9mm~1.2mm伸びる計算になります。

以上、休止期から成長期への移行や毛根の深さ、髪の毛の成長スピード、そして頭皮表面に髪の毛と認めることができる(ご自身の実感)までの期間をすべて考慮すると、半年以上使用する必要があるという結論に至ります。

ピディオキシジルの副作用は?

・副作用の症状

再度kopyrrol-brochure(kopyrrol概要書)を見てみることにします。

http://www.slideshare.net/Kumarorganicproducts/kopyrrol-brochure

安全性のデータに以下の記載があります。

【毒性(副作用)の情報】

上記のように臨床試験のデータからは副作用の情報はないようです。

ただしこれは一般的にどのような外用剤に言えることですが、塗布部位のかゆみ・赤み・発疹などが発生する可能性はあります。

有効成分であるピロリジニルジアミノピリミジンオキシド(6-Pyrrolidino, 2,4-Diaminopyrimidine 3-Oxide)には、副作用の可能性がなくても外用剤には有効成分以外にも防腐剤、添加剤などが含まれています。

これらの成分はアレルギーテストなどを実施し人間の皮膚において問題ないことが確認されていますが、すべての人に問題がないと言い切ることはできません。

アレルギーテストはある程度限られた人を対象に実施されています。

限られた人というのは、ある程度まとまったデータを取るために被験者背景(合併症や既往歴、現在服用している薬など)を揃えた人のことを指します。

これはアレルギーテストだけでなく、一般的に行われている臨床試験(治験)においても実施されていることです。

背景が異なるごく少数のデータでは信頼性があるとはいえないため、このような手法が取られています。

したがって、かゆみ・赤み・発疹などの副作用がある可能性はあります。

次に初期脱毛についてです。

まず、初期脱毛を副作用とするか、本来の効果の初期症状とするかは意見が分かれるところです。

多くのインターネットサイトでは副作用として紹介されています。

副作用=本来の目的以外の作用や好ましくない症状と規定すれば、初期脱毛は副作用ということでも仕方がないと思います。

しかし、ここまで読んでいただいた人であればそれは好ましくない作用ではないことをご理解いただけているかと思います。

初期脱毛が起こる理由は、成長期あるいは退行期にある頭皮がその先にステージに進んだことによって起こります。

これはピディオキシジルの効果が発揮されたために起こる現象です。

もし、ピディオキシジルの効果が全くない人であれば初期脱毛は起こることはありません。

育毛を期待している人にとって現在の髪の毛が抜けるという初期脱毛はショックなことだと思います。

しかしピディオキシジルの作用機序や頭髪サイクルを考えると、頭髪サイクルが促進された結果の脱毛ということがお分かりいただけるかと思います。

初期脱毛をよくない症状=副作用ではありません。効果が発揮された結果に生じた症状であることをご認識ください。

・こんな人は使用を控えて!(持病や服薬中など)

ピディオキシジルの主な作用は、血管拡張作用であることをご紹介いたしました。

同じ効果を持つミノキシジルは高血圧治療薬としての効果を持っていますので、ピディオキシジルでも同様と考えてください。

ミノキシジルでは高血圧治療薬との併用は注意するように喚起がなされています。

ミノキシジルの場合は外用薬以外にも内服薬(ミノキシジルタブレット)が発売されていますのでこのような注意喚起がなされていますが、ピディオキシジルの場合外用剤のみ発売されており、内服薬が発売されていませんのでそれほど気にする必要はないかもしれません。

しかし頭皮からの吸収(経皮吸収)であっても血中に薬剤が移行するため、相互作用が全くないわけではありませんのでやはり注意をしておくに越したことはありません。

以上から高血圧治療薬を服用中の方は、その使用に注意する必要があるため、医師に使用の可否を相談することをおすすめします。

また、過去に過敏症反応を起こした経験がある人は要注意です。

ピディオキシジルに対する過敏症の経験がある人はリスクとベネフィットを考慮して、つまり期待する効果が副作用による不利益を上回るのであれば使用しても良いと思います。

ただし、重大な過敏症を起こしたことがある人は、再度使用することはできません。

また、同じようにミノキシジルで重大な過敏症の経験がある人は、ピディオキシジルの使用した場合同じような過敏症を起こす可能性がありますので十分注意する必要があります。

その前に医薬品を使用する大前提として、確認していただきたいことがあります。

過去に一度でも薬物アレルギー、特に重度の薬物アレルギーのために病院を受診したり入院加療を必要とするような重度のアレルギーの経験がある人は、医薬品全般に対して注意が必要になります。

・こんな症状がでたらすぐに使用をやめて医師に相談しよう

ピディオキシジルの主作用(血管拡張作用)はミノキシジルと同様です。

ミノキシジルの臨床試験データの中には血管拡張作用に伴うめまいやふらつきが報告されています。

一過性(使用を中止していただければ回復するもの)のものですが、使用していないにも関わらず症状が継続するようであれば必ず病院を受診してください。

ミノキシジルには心膜炎、心嚢貯留液という副作用が報告されていますがこれは内服薬に伴うものであるため、外用剤のピディオキシジルではほぼ起こることはないと考えられています。

スティーブンスジョンソン症候群や表皮壊死融解症についても、ほぼ起こることはないと考えられています。

ただし、もし万が一何かいつもと違う症状が起こった場合は自己判断せずにすぐ病院に電話で相談し、病院の指示に従ってください。

ピディオキシジルの入っている育毛剤ってどんなものがあるの?

・フィンジア

フィンジアという商品には有効成分としてピディオキシジルの他に、キャピキシルやカプサイシンが含まれています。

この商品の目玉となるものは「SPEテクノロジー」というもので、「Spread ? Penetrate ? effect」の頭文字をとってこのように名づけられています。

簡単に言うと、「毛穴を広げて、薬剤を毛根の深くまで浸透させて効果を発揮させる」というものです。

従来の育毛剤はリアップのように主となる有効成分が1つ配合されたものが多かったのですが、フィンジアは有効性分が3つ(ピディオキシジル、キャピキシル、カプサイシン)も配合されているため、非常に注目を集めました。

2015年の夏に発売されたのですが、発売開始後は注文に対して商品生産が追いつかなくなり、発売を休止したこともありましたが、現在発売は再開されており購入は可能です。

インターネット上での口コミを見る限り、効果があったという声が多いようです。

・ボストンスカルプエッセンス

ボストンスカルプエッセンスにはフィンジアと同様にピディオキシジルとキャピキシルが含まれていますが、さらに有効成分として「フラーレン」と「オレアノール酸」、「成長因子」が含まれているようです。

フラーレンにはいわゆる酸化を防止する作用があります。

酸化という作用はわかりやすくいうと老化という作用のことです。酸化が起こると、細胞は分裂を起こすことができなくなり、若返ることができず硬くなることを意味します。

頭皮に当てはめて考えてみましょう。

酸化し老化が進んで頭皮が硬くなると毛穴がさらに狭くなってしまい、最終的には完全に毛穴を塞いでしまいます。

毛穴が塞がれてしまった状態では髪の毛が頭皮表面にでてくることはできませんので、髪の毛が生えてくることはありません。

このような状態になるまでにはその他の要因も重なって毛根から髪の毛が生えてこないという状況にすでなっていますが、出口となる毛穴がなければどうしようもないことがご理解いただけるかと思います。

オレアノール酸については、男性ホルモンの影響を取り除く物質として配合されています。

フィンジアもボストンスカルプエッセンスもそうですが、1つ有効成分だけではなく複数の有効成分や相乗効果を生み出すような成分を配合することによって、より効果を高めようとしているようです。

まとめ

ピディオキシジルは、育毛効果が高いミノキシジルの副作用を減らした医薬品です。

ただしミノキシジルと比較すると新しい医薬品であるため、それほど多くのデータがあるわけではないことから、どれほど効果があるのかはまだわからないという状況です。

どんな育毛剤でも同じことですが、薬だけに頼っていては十分な効果を得ることは難しいです。

髪の毛を作るための栄養をしっかりとること、頭皮を清潔に保ち頭皮環境を整えること、十分な睡眠や適度な運動を行い規則正しい生活リズムを作ること、喫煙を控える、ストレスを貯めないなどが重要となります。

薬の効果を期待しつつ、日々を生活を見直すことが重要ではないでしょうか。