円形脱毛症

円形脱毛症は危険な病気の兆候!?7つの原因と5つの対処法

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「円形脱毛症」とは急に髪の毛が抜け落ちて、その跡が円形になる症状のことです。

よくストレスが原因でなると言われていますが、実はそれ以外にも様々な原因があります。

ここでは、「円形脱毛症」の主な原因と種類、そしてその対策方法についてまとめました。

放っておくとより悪化する場合もあるので、早めの対策が必要です。

嘘や宣伝に惑わされず、正しい知識を得ていくことが改善につながります。

円形脱毛症に悩んでいる人は、是非参考にしてみてください。

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは、髪の毛が円形に抜け落ちる症状のことです。

英名Alopecia areata、略称はAA。自己免疫系の病気とされています。

10円大の円形に髪の毛が抜けることから、通称は「10円ハゲ」とも言われています。

また、平安時代には鬼が舐めたせいでできたと考えられており、「鬼舐頭」と言われていました。

どんな人がかかるの?

有病率は米国で0.1-0.2%、生涯有病率は1.7%といえわれ、男女差はなく、どの年齢でも罹患しうる。(wikipedia)

米国皮膚病学会(American Academy of Dermatology)等の研究論文によれば、年齢差や男女差なくかかる可能性のある病気です。

円形脱毛症の症状の種類

単発型の円形脱毛症

単発型の円形脱毛症は、その名の通り、円形の脱毛部分が単発で発生する症状です。

俗に言う10円はげと呼ばれるものはこの形が多いです。

脱毛部分ができる前兆として、かゆみや大量のフケなどが出てくることもあります。約6割程度は自然治癒することが多いですが、残りの4割は多発性型の症状に悪化していくことがあります。

多発型の円形脱毛症

単発型の円形脱毛症が2個以上できる症状です。

単発型からは悪化しており、発生する場所によっては2つの円形脱毛が合わさって大きな脱毛部分を形成することもあります。
さらに悪化すると、全身で脱毛が起こったり、多発融合型に症状が進行する場合があります。

びまん性の多発融合型の円形脱毛症

「びまん性」というのは広範囲に症状がでていること表す専門用語です。

円形脱毛症の場合は、頭全体にわたって広範囲に発生している症状のことを表します。

この症状は、なかなか治りづらいことが多く、また全頭型や汎発型に進行する確率も高いと言われています。

蛇行性の多発融合型の円形脱毛症

蛇のように細長く蛇行したような形に脱毛が発生するのがこの症状です。

後頭部や側頭部の生え際で発生することが多い症状です。主に小さい子供に発症することが多いようです。

全頭型の円形脱毛症

全頭型は多発型や多発融合型から症状が進行したものです。

複数の円形脱毛が頭全体で重なりあうように発生し、頭全体の髪の毛が広範囲にわたって抜け落ちます。

汎発型の円形脱毛症

複数の円形脱毛が頭だけでなく体全体で重なり合うように発生することで、体中のありとあらゆる毛が抜け落ちる症状です。

円形脱毛症の中でも最も治りづらく、悪性円形脱毛症や全身脱毛症(全脱)とも呼ばれています。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症は自己免疫疾患の一種であると考えられています。

自身の体の免疫をつかさどる「T細胞」が毛根を包む毛包を攻撃することによって、円形脱毛が起こると考えられているためです。

ストレスが主な原因であると思われがちですが、ストレスを感じづらいと思われる赤ちゃんや幼児などにも発症していることから、ストレスは主な要因ではなく、ストレスによって自己免疫反応に悪い影響が起こるために発症するのではないかと考えられてきています。

8つの原因遺伝子

円形脱毛症は原因となる遺伝子も特定されはじめています。

2010年7月号の英科学雑誌「Nature(ネイチャー)」によると、コロンビア大学准教授のAngela Christianoらの研究の結果、円形脱毛症には8つの遺伝子が関与していることがわかりました。

さらに、この8つの遺伝子の1つ「ULBP3」が毛包組織の最も外側の層の大部分で発現(遺伝子のスイッチがONになる)しているのがわかりました。

この「ULBP3」が免疫を担当する白血球の一種である「T細胞」をおびき寄せる合図を出し、おびき寄せられたT細胞が毛包組織を攻撃していると考えられています。

毛根を包んでいる毛包組織がT細胞によって攻撃をうけることで、毛根もダメージを受けて毛が抜けます。

さらに免疫T細胞は毛が抜けたあともそのまま毛包の周辺にとどまるので、毛包は活動休止をよぎなくされて、毛が再生することはなくなります。

このため、円形脱毛症になると考えられています。

アレルギーが原因になる場合

多くのアレルギーは免疫機能の異常反応によって引き起こされます。

円形脱毛症も免疫機能が毛根を包む毛包を誤って攻撃することから、他のアレルギーと何らかの関連性があるのではないかと推測されています。

実際、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギーをもっている人は円形脱毛症になりやすいということが、統計的有意差が出ているとも言われています。

円形脱毛症の8割がアレルギーと関連性があると言われています。

アレルギー以外が原因になる場合

一般的に、円形脱毛症の原因はストレスであると言われることが多いですが、実際にはその関連性は証明されていません。

アレルギー体質でない人の場合でも、過大なストレスがかかることによって免疫機能が一時的に異常な状態になり、その結果毛包が自己免疫によって誤って攻撃されることになる可能性があるのではないかと推測されています。

この場合、ストレスの原因が取り除かれれば治ることが多く、短期間に回復することが多いと言われています。円形脱毛症の2割がこのタイプにあたると言われています。

円形脱毛症の治療方法

日本皮膚科学会の治療ガイドラインによれば、円形脱毛症の治療方法は、15歳以下と16歳以上の2パターンに分けられます。

これは、円形脱毛症の治療の中に含まれる「ステロイド全身投与」と「PUVA治療」が15歳以下の人に不利な影響を及ぼす可能性を配慮して策定されているようです。

この記事では、この日本皮膚科学会の治療ガイドラインにそってわかりやすく解説していきます。

なお、ここで紹介する内容はあくまでも参考情報としての一般的なガイドラインですので、具体的な治療方針はそれぞれの人の症状に合わせて医師と相談して決めるようにしてください。

ステロイド局所注射

ステロイド局所注射とは、ステロイドと呼ばれる薬品を円形脱毛部位に注射する手法のことです。

このステロイド局所注射による発毛促進効果を評価する信頼性の高い試験(ランダム化比較試験)は行われていません。

しかしながら、様々な研究から発毛の評価指標が改善することを示唆する結果が報告されています。

日本でも、トリアムシノロンアセトナイドの局所注射が単発型と多発型のいずれにも有効であるとの報告があります。

一方で、ステロイドには副作用があります。いずれの研究においても、ステロイドの局所注射部位に皮膚萎縮が起こることが報告されています。

また、子供や幼児に対しては危険性がわからないため使うべきではないとされています。

局所免疫療法(かぶれ療法)

局所免疫療法(かぶれ療法)とはSADBE(スクアレン酸ジブチルエステル)やDPCP(ジフェニルシクロプロペノン)という薬品などを使って、頭皮に弱い「かぶれ」を繰り返し発生させる治療方法です。

この弱いかぶれによって、毛根を攻撃する免疫反応を正常に戻していく方法になります。

この局所免疫療法による発毛促進効果を評価する信頼性の高い試験(ランダム化比較試験)は行われていません。

しかしながら、複数の研究結果から、SADBEないしDPCPを塗った脱毛範囲が塗ってない部分と比較して縮小したという報告がされています。

メリットとしては、費用の安さや有効性の高さがあります。

一方で、デメリットとしては、期間が1年以上はかかることや、保険適用外の診療になることや、全身性接触皮膚炎になる可能性があることなどがあげられます。

点滴静脈注射ステロイドパルス療法

点滴静脈注射ステロイドパルス療法は、短期間のうちに(通常3日間など)ステロイド薬を大量に点滴する治療方法です。

病気の進行が早いときなどに、用いられることが多い治療法になります。

このステロイドパルス療法による発毛促進効果を評価する信頼性の高い試験(ランダム化比較試験)は行われていません。

しかしながら、過去5件の比較試験の結果、治療前と比較して脱毛範囲が縮小することを示唆する結果が報告されています。

ステロイド局所注射や局所免疫療法に比べると比較試験の件数は少ないものの、比較的高い水準の根拠があると考えられています。

なお、ステロイドパルス療法は幼児や子供に対しての使用は安全性が確立されていないようですので注意しましょう。

ステロイド内服

ステロイド薬を飲んで摂取する方法です。ステロイドの摂取の仕方によって、通常のステロイド内服治療と、内服ステロイドパルス療法に別れます。

通常は長期間薬を飲み続けることになりますが、内服ステロイドパルス療法の場合は短期間に大量のステロイド薬を飲む方法になります。

円形脱毛症時に使用されるステロイド薬の主な種類としては、「酢酸コルチゾン」「プレドニゾロン」「デキサメサゾン」などがあげられます。

まず、ステロイド内服についてですが、過去5件の研究結果によると脱毛範囲を縮小し発毛促進を示唆する結果がしめされています。

次に、内服ステロイドパルス療法についても、過去の研究結果によると明らかな発毛効果が示されているようです。

しかしながら、ステロイド内服の場合は薬を飲むのをやめた後に高確率で脱毛が再発することや、肥満や糖尿病・胃腸系の以上・月経不順・顔の腫れ等が併発することが多いので注意が必要です。

また、内服ステロイドパルス療法についても、薬を飲むのをやめた後に、8例中3例で再び毛が抜けるなどした事例が見受けられているようです。

このように、ステロイドは副作用が強く、発毛するメリットを上回るデメリットが発生することもあるため、慎重に実施することが必要とされています。

第2世代抗ヒスタミン内服

第2世代の抗ヒスタミン剤(アレルギーの薬)を飲む治療法です。

特に、アトピー性皮膚炎を持っている人には有用な治療方法と言われています。単体で使用するのではなく、他のち治療方法と組み合わせて使うことが主流となっています。

第2世代抗ヒスタミン剤の主な種類としては「エバスチン」「アゼラスチン」等があります。

この第2世代抗ヒスタミン内服はランダム化比較試験によって脱毛範囲が縮小することを示唆する根拠が見出されているとの報告があがっています。

セファランチン内服

セファラチン内服は、セファランチン剤を飲む治療法です。

セファランチンは抗アレルギー作用や、血流促進、免疫機能増強、などの作用がある成分として知られています。主にツヅラフジ科植物の根っこから抽出、精製したものになります。

このセファラチン内服による発毛促進効果を評価する信頼性の高い試験(ランダム化比較試験)は行われていません。

また、他の比較試験の結果をみても、脱毛範囲が縮小する根拠は弱いようです。

単体での効果は不明確な一方で、多数の治療実績を考慮して、他の治療方法のサポート(併用療法)として用いられる場合はあるようです。

グリチロン(グリチルリチン、メチオニン、グリシン複合剤)

グリチロンとは、グリチルリチン・メチオニン・グリシンの複合剤のこと指します。

このグリチロンによる発毛促進効果を評価する信頼性の高い試験(ランダム化比較試験)は行われていません。

また、16件の症例を集めた研究結果が報告されているものの、検証が不十分であり、有益性は科学的に十分に実証されていません。

一方で、多数の治療実績を考慮して、他のち治療方法のサポート(併用療法)として用いられる場合はあるようです。

ステロイド外用剤

ステロイド入りのクリーム状等の薬剤を皮膚に塗る治療方法になります。

このステロイド入りのクリームと何も入っていないクリームを54人の脱毛部に塗って、ランダム化比較試験を行った結果、25%以上の毛髪再生はステロイド剤外用をした時の方が結果は良かったようです。

一方で、完全回復に対してはステロイド剤のあるなしで差なかったようです。

このように、完全回復への有用性は十分に実証されていないものの、一部回復が見られたことや、多くの他の治療実績を考慮して、ステロイド外用剤は全ての症状の第一選択しとして推奨されています。

塩化カルプロニウム外用(カルプロニウム塩化物)

塩化カルプロニウムは、皮膚の血管を拡張して血流をよくする作用があり、主な商品名としては「フロジン」などがあります。

この塩化カルプロニウムは1960年代に1件ランダム化比較試験が実施されています。その結果、発毛効果がある弱い根拠が示されています。

ミノキシジル外用

ミノキシジルは、元々は高血圧の薬としてつくられた血管拡張薬作用のある薬のことです。

数件のランダム化比較試験の研究報告があり、脱毛の範囲を減少に対しての弱い根拠が示されています。

しかしながら、脱毛範囲の減少効果は弱く、広範囲にわたって脱毛している場合には十分ではないとされています。

これらのことから、単体での使用ではなく他の治療との併用で使うことが推奨されています。

冷却療法

冷却療法とは、液体窒素もしくはドライアイスで脱毛部分を冷却する手法のことです。

主に、液体窒素を頭皮に塗ったり、ドライアイスを1秒以上頭皮にあてるなどの方法で実施されることが多いようです。

この冷却療法のランダム化比較実験は行われておらず、他の比較実験では脱毛範囲が縮小することを占める弱い根拠が示されています。

よって、冷却療法の有益性は十分に示されているとはいえません。

長時間にかけて冷却することで、低温やけどなどが発生する可能性もあるため、慎重に実施する必要があります。

その一方で、冷却材以外の薬剤を使用しないことから副作用の心配が少ないため、他の治療と併用できるメリットがあります。

直線偏光近赤外線照射療法(スーパーライザー療法)

直線偏光近赤外線照射は、スーパーライザーという機械等を用いて特殊な赤外線を脱毛部位にあてている治療法のことです。

血行促進などの効果があるとされており、筋肉や関節の治療などにも用いられます。

この直線偏光近赤外線照射は発毛促進効果を評価するランダム化評価試験による根拠はいようです。

その一方で、他の比較試験によって、別の治療方法と併用した場合に、約半数の人の回復期間が短縮されることを示唆する弱い根拠がみうけられたとの報告もあるようです。

赤外線の照射は比較的副作用も少ないため、他の治療と併用することに適した治療法のようです。

PUVA療法

PUVA療法とは、紫外線を脱毛部分に照射する手法で、紫外線の感受性をあげるために「ソラレン」という物質と併用する光学治療法です。

名称は、「ソラレン(psoralen)」の頭文字「P」と「長波長紫外線(UVA)」とをあわせたことに由来します。

PUVA療法の発毛促進効果を評価するランダム化比較試験はありません。

一方で、他の比較試験では、脱毛範囲が縮小する弱い根拠があるとの報告もされています。

比較的簡単に実施できる一方で、大量に照射すると発癌リスクがあがるという報告もあるため、注意が必要です。

その他の治療方法

日本皮膚科学会の治療ガイドラインにて、推薦度がC2以下の「行わない方がいい」・「行うべきではない」に分類された手法について紹介します。

ここで紹介されている手法は根拠が確認できていないため、治療方法の存在のみをご紹介します。

・シクロスポリンA内服

・漢方薬内服

・精神安定剤内服

・アンスラリン外用

・星状神経節ブロック

・催眠療法

・鍼灸治療

・分子標的治療薬

円形脱毛症による精神的な影響

円形脱毛症は肉体的なダメージよりも精神的な悪影響が強く、脱毛部位を見られたくないために引きこもりがちになったり、視線恐怖症・対人恐怖症になったりすることがあります。

これらの二次的な症状が、円形脱毛症の治療の妨げになることもあることから、ストレスが大きくなる前にカツラやウィッグなどを用いて緩和することが重要だと考えられています。

カツラ・ウィッグによる対処

かつらやウィッグが直接的に円形脱毛症の治療に影響を与えるわけではありませんが、紫外線や傷からの保護や、生活の質の向上に大きな影響を与えることから、治療法の一つで認められるべきであるとの考えが広まっています。

アトピー性皮膚炎との関連性

円形脱毛症をわずらう800人中187人がアトピー性皮膚炎も一緒にわずらっていたとの報告があります。

これは割合で考えると23%になり、おおよそ四人に1人がアトピー性皮膚炎にもかかっていたことがわかります。

さらに、円形脱毛症の症状が重い人ほどアトピー性皮膚炎にかかっている率が高いとの報告もあり、円形脱毛症とアトピー性皮膚炎との関連性が強く疑われています。

これらのことから、円形脱毛症への対策と同時にアトピー性皮膚炎への対策も必要になる場合が一定の確率で存在します。

この章ではアトピー性皮膚炎を含めたアレルギーを持っている人が気をつけるべき内容についても簡単にまとめていきます。

生活環境の改善でアトピー対策

アトピー皮膚炎や気管支喘息は「ハウスダスト」によって引き起こされると考えられています。

「ハウスダスト」とは、家の中にあるホコリの一種で、カビ・ダニの死骸・フケ・ホコリ・ペットの毛・その他細菌などが複数まざったもののことを指します。

家の中を綺麗に掃除しておくことで、アトピー性皮膚炎などの発生確率を抑えることができると考えられています。

また、部屋のホコリを綺麗にすることで、間接的に頭皮を清潔に保つ効果もあると考えられます。

食生活の改善でアトピー対策

アレルギー反応を起こすのはロイコトリエンという物質だと考えられています。

ロイコトリエンは体の中のアラキドン酸から作られ、アラキドン酸はリノール酸から作られます。

つまり、リノール酸の過剰摂取を控えることで、アレルギー反応を起こすロイコトリエンを減らすことが出来るようになります。

リノール酸を多く含む食べ物は以下の通りです。

・サラダ油、ごま油、ラー油、オリーブオイル、紅花油、ひまわり油、コーン油、大豆油、グレープシードオイルなどの、植物油

・マヨネーズ、ごま、ピーナッツ、高野豆腐、油揚げ、湯葉、アーモンド、湯葉、ポテトチップス、くるみ、ピスタチオ、など

なお、アラキドン酸からはプロスタグランディンという炎症を引き起こす物質も作られます。

つまり、アラキドン酸の原材料であるリロール酸を制限することでアレルギーと炎症を抑えられる可能性が高まります。

ただ、気をつけなければいけないのは、リノール酸は体に必要な物質でもあるということです。

適量であれば害はないので、過剰に摂取しないように気をつけることが重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

円形脱毛症の原因と治療方法についてまとめてみました。

根拠の高いものと低いものが混在しているため、かかりつけのお医者さんと相談しながら自分の症状にあった治療方法をしっかりと選択することが重要です。

また、生活習慣や環境にも気をつけることで、さらにスムーズに治療を進めることができるでしょう。